きのう、松代の「気象庁精密地震観測室」の見学に行ってきました。
年に1回だけの貴重な見学会です。
この地震観測室は松代地下大本営跡地を利用した建物です。
歴史遺産であり、また世界に誇る最新鋭の地震計を備えた地震観測所でもある
という2面性を持った施設です。

松代地下大本営天皇御座所&精密地震観測室見学1
松代地下大本営は太平洋戦争末期の昭和19年11月より翌年の終戦を迎えるまで
日本軍が本土決戦に備えて、
最後の拠点とすべく、極秘に急ピッチに構築した地下壕です。
地下壕は松代町内に3箇所つくられました。
今回見学した舞鶴山が指令本部、象山が通信関係、皆神山が食料庫という計画。

およそ9ヶ月の間に当時の金額で2億円もの巨額の費用をかけ、
延300万人もの住民、朝鮮労働者が強制労働を強いられ、
過酷な労働によって多くの命を奪われた、かなしい歴史を持つ遺産です。
突貫工事によってほぼ75%完成していたそうです。

結果この地下壕は使わずして終戦を迎え、
単なる洞穴になってしまいましたが、
舞鶴山は終戦から二年後、中央気象台の地震観測所として、
他の2箇所は戦争遺産として残ることとなりました。

松代地下大本営天皇御座所&精密地震観測室見学1
天皇の御座所(居間兼寝室)です。
意外に簡素なたたずまいでした。
おそらく当時はもっと豪華な造りだったかもしれません。
戦後持ち出されてしまったものや、
地震観測所としていろいろ改築が行われたために
そう見えた部分もあったと思います。
それでも御座所の天井と床下は90cmのコンクリートで覆うという
念の入れようや
硬い岩盤の何100mも続く真っ暗な坑道内に残る生々しい柱の跡、工事の痕跡、落書きなどを観ると
当時の日本軍や労働者や戦争というものをいろいろ考えさせられます。

日本人なら1度は訪れたい場所です。
松代にしかないたった1つの戦争遺産です!
次回は日本軍がなぜ日本の領土内でここ松代に地下壕を掘ったのか、
なぜこの地下壕が地震観測所として使われることになったのか、
この地震観測所で何が行われているのかお伝えします。


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Posted by 4clover at 09:51 │信州おすすめ観光・城下町松代